【シニア世代】骨粗鬆予防や正しい食事方法について解説!

骨と筋肉の強化を目指すシニア世代の栄養摂取について解説します。

シニア世代の特徴

年齢を重ねると、感覚機能(嗅覚、聴覚、視覚、味覚など)が鈍化します。唾液の分泌も少なくなり、消化や呼吸機能も低下します。

また、肺活量や筋肉量の低下、関節の可動域なども低下するため、転倒や骨折もしやすくなり、回復にも時間がかかります。

体内の水分量も低下しますが、口渇感の低下や食事内容によって、脱水や便秘も起こりやすくなり、これらのことによって、食欲が落ちたり低栄養になることもあります。

ただし、個人の体格や健康状態、活動状況による個人差が大きいことも特徴です。

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骨粗鬆症

高齢者の加齢による身体的変化で、最も大きな影響があるのが骨粗鬆症です。

骨が生まれ変わるには、骨を壊す*破骨細胞が古くなった骨を吸収し、そこでできた欠損部に骨をつくる*骨芽細胞が現れます。
破骨細胞は古くなった骨を吸収し(骨吸収)、骨芽細胞はカルシウムなどを付着させて新しい骨をつくります(骨形成)。

このバランスがとれていると骨硬度を保つことができますが、新しい骨が完成する前に、破骨細胞が別の部位に移動して新たな骨吸収を開始すると、骨粗鬆症になります。

特に、閉経前後の女性は、女性ホルモンの分泌が減少し、骨吸収が骨形成を上回り、骨密度が急激に減少しやすい状態になるので、注意が必要です。

活動量が低下し、それが骨密度の低下や筋力の減退を招く負のスパイラルを引き起こさないように注意します。


*破骨細胞
骨を壊す細胞で、骨を新しくつくるために、絶えず古くなった骨のカルシウムやコラーゲンを溶かし続けています。溶かされた骨は血液に溶け込んで、新たな骨の材料として再移用されます。

*骨芽細胞
破骨細胞が古くなった骨を溶かした後に現れ、コラーゲンをつくって血液中のカルシウムを付着させ、新しい骨をつくります。破骨細胞と骨芽細胞の働きがバランスよく循環することで、新しく骨が生まれ変わっていきます。

食事で気をつけること

➊ たんぱく質を多く含んでいる食材は、噛む回数のが多いので敬遠され、不足しがちです。たんぱく質は身体をつくる栄養素なので、欠かせません。小さめに切る煮込む時間を長くする、とろみや水分を多くするなど、切り方や調理法を工夫しましょう。

➋ 少量でコンパクトに栄養補給ができる、高エネルギー・高たんぱくのメニューを工夫しましょう。水分も一緒に摂れる牛乳豆乳は飲みやすく、ほかの食材と組み合わせてもメニューに取り入れやすいです。

➌ 便秘を予防し、排便をスムーズにするために、食物繊維*プロバイオティクスといわれるヨーグルトなどを取り入れましょう。

❹ 骨は、カルシウムだけでなく、たんぱく質やビタミンⅮなども必要です。ビタミンⅮは日光を浴びることでも体内でつくられるので、買い物や散歩など日光にあたる時間を増やしましょう。

➎ 水分をこまめに摂りましょう。のどが渇く感覚が低下しているので、自分の感覚に頼るのはやめましょう。また、トイレに行くのが面倒だからといって、水分をさけるのは危険です。普段の生活から水分補給は意識し、運動をする場合はさらに摂るようにしましょう。


*プロバイオティクス
腸内環境をよくする腸内細菌のバランスを整える微生物のことです。この微生物を含むヨーグルトや乳酸菌飲料などの食品もプロバイオティクスと呼ばれます。