【成長期】幼児期、学童期、思春期の子どもの食事方法!

成長期に大切な骨と筋肉の発達を促すための栄養と食事について解説します。

成長期の必要なエネルギー量

年齢や性別などによって、身体が必要とする栄養は異なります。
その中でも、一番エネルギー必要量が多くなるのが、男性は15歳~17歳、女性は12歳~14歳です。これは、成長するためにエネルギーが多く必要となるためです。

大人の方が量を多く食べるというイメージがありますが、必要なエネルギー量でみると、子どもも大人同様、もしくはそれ以上に食べなければいけないのです。

年齢別・性別の適切なエネルギー量の目安
*日本人の食事摂取基準を参考

≪合わせて読む↑≫

成長期の区分

成長期は次のように3つに区分できます。

成長期の区分

幼児期

幼児期は体格の発育が目覚ましい時期です。

この年代を対象とした、スポーツクラブに通う子どもが増えています。運動をすればそれだけ必要なエネルギー量は増えますが、消化やそしゃく能力がまだ未熟なので食事の量を増やしても消化できません。幼児期の1日の必要栄養素は身体の大きさの割にはかなり多く、1日3回の食事で摂るのは無理があります。

そこで必要なのが、間食です。「間食=おやつ」ではなく、「間食=捕食」としてとらえて、3食では不足する栄養素をとれるような間食をとらせます。
具体的には、乳製品、果物、いも類などです。

しかし、無計画な間食はエネルギーの摂りすぎとなり、体脂肪の増加につながります。幼児期の肥満は、成人期の肥満につながりやすいので、必要なタイミングで過不足なく間食を摂らせることが大切です。

幼児期の食習慣が、成人になってからも基礎となります。朝食を摂らないなどの欠食では強い身体をつくることができません。適切な間食や欠食しないなどの食習慣の基礎づくりをさせましょう。

学童期

この時期は骨格が発達し、それに伴って身体の各部の長さも成長し、骨格筋量も増大します。また、呼吸・循環器系の機能、筋力、持久力、瞬発力などの運動能力が高まる時期でもあります。活動量も増加するため、必要なエネルギーをはじめ、たんぱく質などの栄養素がしっかりととれるようにすることが成長には大切です。

歯も永久歯に生え変わる時期ですが、虫歯の発生頻度は高く、そしゃく力が低下している子どももいます。そしゃく力を強化するためにも、柔らかく飲み込みやすいものでなく、あえて野菜を固めにゆでる、大きめに切るなどにして、そしゃく回数を増やすための調理法を工夫しましょう。

また、肥満や極端なダイエット、そこから過食拒食などを引き起こす時期です。
幼児同様にこの時期の肥満は、成人になってからの生活習慣病のリスクを高めるため、運動量に見合う食べ方が必要です。逆に、極端なダイエットは栄養不足から疲労や怪我を起こしかねず、成長にも支障をきたします。

女性の場合は、学童期の後半から月経がはじまるため、男性よりも多くが必要になります。運動をすると鉄の必要量はより多くなりますが、鉄は吸収が悪いので、女性のスポーツ選手は貧血にならないように、毎日意識してとりたいミネラルのひとつです。


発育のピーク
女子は8~9歳にかけて急速に身長が伸び、体重も増加します。女子の10歳~11歳の身長・体重は男子を上回っています。女子の発育のピークは男子より1~2年くらい早く、学童期後半にはピークを迎えます。男子は少し遅く、12歳~14歳にピークを迎えます。

思春期

思春期は身長、体重の急増にともない、内臓の諸器官も充実します。女性は、月経がはじまり皮下脂肪が蓄積し、男性は筋肉や骨格が発達していきますが、やがて体重の増加や身長の伸びも止まります。男女の体格差がはっきりしてくる時期でもあります。

この時期は、身体の発達が急速で活動量も増えます。また、一生のうちで基礎代謝量が最大になるので、運動をする場合には、さらに多くのエネルギーや栄養素が必要になります。身体をつくるたんぱく質をはじめ、骨格の成長に欠かせないカルシウム、血液中の赤血球に含まれるなどのミネラルは特に意識しましょう。

思春期の食事の傾向としては、食べやすいパンやおにぎり、ラーメンなどの炭水化物や、揚げ物などの脂質が多いものに好みが偏り、必要な栄養素が不足しがちになります。好みでメニューをつくるのではなく、必要な栄養素を含む食材を選び、それをもとにメニューをつくりましょう。

また、この時期は自由に買い物や外食ができる時期なので、だからこそ必要な栄養素が摂れるような食事や間食ができるようにさせましょう。ダメだとわかっていても、運動後にカップラーメンやファストフード、甘いジュースなどを摂ってしまいます。さまざまなことが自由になる思春期だからこそ、規則正しい食習慣を身につけましょう。