発汗対策のための適切な水分補給の方法について解説します。
水分補給の内容
気温がそれほど高くなく、発汗量も多くない場合は、水で十分です。しかし、発汗量が多いときに水のみで水分補給を行うと、身体の中のミネラルバランスが崩れ、塩分の濃度が減少して*低ナトリウム血症になり、熱けいれんを引き起こすことがあります。
発汗量は、個人差もありますが、運動強度や量、気温で変わります。運動しているからスポーツドリンクを飲むのではなく、発汗量を考慮して水分補給の内容を考えます。
*低ナトリウム血症
大量に汗をかいて水分を摂りすぎた場合に、血液中のナトリウムの濃度が低くなることがあります。倦怠感、吐き気、こむら返り、立ちくらみなどの症状がでます。
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スポーツドリンクの種類
市販のスポーツドリンクにはさまざまな種類があり、効果も異なります。水分が必要なのか、エネルギーが必要なのか、目的によって使い分けます。
スポーツドリンクは、アイソトニック、ハイポトニック、ハイパートニックの3つに大別されます。この3つの違いは、体液(血液や汗)の浸透圧と同じか、体液の浸透圧より低いか高いかという点で、水分の吸収のスピードが異なります。
水分補給のタイミング
のどが渇く前の水分補給が大切です。
気温が低かったり、1時間程度の運動の場合は、水分補給は水だけでかまいません。発汗量が多い場合は、水とスポーツドリンクを使うとよいでしょう。
水分補給の具体的な方法は、
- 運動のときだけでなく、普段の生活時も水分は十分に摂ります。
- 運動直前にまとめて飲むのではなく、運動前もこまめに水分補給をしておきます。
- 運動中はこまめに水分補給をします。「喉が渇く」というのはすでに水分が不足している状態です。それから飲むのでは遅いので、のどが渇く前に飲むのが運動時の鉄則です。15分~30分ごとにコップ1杯程度の水を補給することが目安となります。皮膚に水をかけて蒸発で熱を失わせるのもよい方法です。
- 運動後はすぐに失われた水分を補給します。
・スポーツドリンクの飲み過ぎによる子どもの肥満が指摘されています。気温や運動量などから本当に必要かどうかを見極めることが大切です。
・一晩でコップ1杯程度の汗をかくといわれていますが、睡眠中は長時間水分補給ができません。普段から、朝起きたときはまず水を飲むという習慣を身につけましょう。
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食事による水分補給
運動しているときだけ水分補給を意識するのではなく、毎食の食事でも汁物を摂ることで、熱中症の予防になります。汁物には、水分と塩分が含まれるからです。
野菜や果物にも多くの水分が含まれます。
種類によって水分量は異なりますが、これらの食材を増やすことは水分補給につながります。
発汗で失われる塩分については、発汗量が多いときは、味付けを濃くする(塩分)とか、梅干しを取り入れるなどすれば手軽に補給できます。
食事の前に水をたくさん飲み過ぎると、一時的に満腹感が出てしまい、食事が思うように食べられなくなることがあります。適度な感覚で水を飲むことが大切です。