体内の水分の働きや水分不足による弊害について説明します!

水の働きについて解説します。水は生きていくために必要不可欠な成分です。運動するときは特に水分不足に陥らないように最大限の注意が必要です。

水の働き

体内の水分量の2%を失うと強い渇きを覚え、10%を失うとさまざまな機能障害が起こり、20%を失うと死んでしまうといわれています。特に運動時は発汗が多く、十分な水分補給が必要です。

体内の水分の3分の2は細胞の中にあり、残りの3分の1は血液やリンパ液、細胞と細胞の隙間(*間質液)にあります。

細胞の中にある水分は、細胞の機能を維持するために働きます。消化管で吸収された栄養素は血管に入り、血液によって身体の隅々まで栄養素や酸素を運搬する重要な役割を担っています。また、血液は体内の老廃物を身体の外へ運び出す働きもしています。

水分は体温の調節にも欠かせません。人間の平熱は36℃~37℃に保たれていますが、これは体温の上昇によって出る汗が皮膚の上で蒸発するときに熱を奪っていってくれるからです。この汗の蒸発によって皮膚の表面の温度が下がり、体温の上昇を防いでいるのです。


*間質液
細胞と細胞の間にある水分。組織間液、細胞間液ともいいます。間質液には血液から流れ込んだ多くの栄養素が含まれており、細胞はこの間質液から栄養素を吸収しています。

水分不足による身体の障害

体内に水分が足りなくなって血流が悪くなると、酸素や栄養素はスムーズに運搬されなくなります。

最悪の場合は、血管が詰まることで引き起こされる脳梗塞心筋梗塞になる可能性もあります。また、高温で湿度の高い環境下で十分な水分補給が行われないと、脱水により熱中症に陥り、意識障害を引き起こしたりもします。

筋肉の痙攣(つること)も身体の水分が少なくなることで起こります。のどが渇いたと感じるのは、すでに身体の水分が少なくなっている合図であり、のどが渇く前の早めの水分補給が必要です。

≪合わせて読む↑≫

入る水分と出る水分

1日に身体に入る水の量は、おおよそ、飲む水1,200ml、食物中の水1,000ml、*代謝水300mlで、合計2,500mlです。
1日に身体から出る水の量は、おおよそ、尿1,500ml、糞便100ml、肺からの*不感蒸泄300ml、皮膚からの不感蒸発600mlで、合計2,500mlです。

日常生活では1日約2,500mlの水が出入りし、プラスマイナス0になります。暑さでかく汗や運動でかく汗は、別になります。運動する場合は、発汗量も多いため2,500mlより多い数値になります。

身体に入る水と出る水のバランス

*代謝水
摂取した栄養素が体内で代謝されるときに生成される水分です。

*不感蒸泄
気づかないうちに皮膚や呼吸から水蒸気として放出される水分です。
不感蒸泄は汗とは異なり、気づかないまま水分が蒸発していくことをいいます。
不感蒸泄は体温が1℃上がるごとに15%増え、平熱で室温が28℃のとき、不感蒸泄は1日で体重当たり15mlです。また、気温が30℃から1℃上がるごとに15%~20%増えますので、気温の上昇による水分の蒸発量には注意が必要です