腕や足の曲げ伸ばしをしたり回したりする動作は、関節を中心として行われ、それぞれに呼び名がつけられています。
主な関節運動である「屈曲」「伸展」「内転」「外転」「内旋」「外旋」「回内」「回外」「回旋」「側屈」の特徴について説明します。
≪合わせて読む↑≫
目次
屈曲・伸展
基本的に、屈曲は関節の角度が小さくなるような動き、伸展は関節の角度を大きくするような動きです。

屈曲動作の特徴
関節を曲げる動きを指します。
- 肩関節:腕を伸ばしたまま前方へ上げる
- 肩関節(水平屈曲):腕を伸ばしたまま身体の横で地面と水平に保ち、身体の前方・内側・動かす
- 肘関節:肘を曲げる
- 手(掌屈):手を差し伸べた状態で、手のひらだけを自分に向けるように動かす
- 体幹:腰を曲げて屈む
- 股関節:膝を上げて股関節を曲げる
- 膝関節:膝を曲げる
- 足関節(底屈):つま先を*下に動かす
伸展動作の特徴
関節を伸ばす動きを指します。
- 肩関節:腕を伸ばしたまま後方へ上げる
- 肩関節(水平伸展):腕を伸ばしたまま身体の横で地面と水平に保ち、身体の後方・外側へ動かす
- 肘関節:肘を伸ばす
- 手(背屈):手を差し伸べた状態で、手のひらだけを前方に向けるように動かす
- 体幹:腰を反って伸ばす
- 股関節:脚を伸ばしたまま後ろに引く
- 膝関節:膝を伸ばす
- 足関節(背屈):つま先を*持ち上げる
内転・外転
基本的に、内転は体肢を中心面に近づける動き、外転は体肢を中心面から離すような動きです。

内転動作の特徴
上肢(手/腕)、または下肢(脚/足)を体の軸に近づける動きを指します。
- 肩関節:腕を伸ばしたまま、内側に動かす
- 肩関節(水平内転):腕を伸ばしたまま身体の横で地面と水平に保ち、身体の前方・内側へ動かす
- 手(尺屈):手を差し伸べた状態で、手のひらだけを内側へ傾ける
- 股関節:脚を伸ばしたまま、内側に動かす
- 足関節:つま先を内側に傾ける
外転動作の特徴
上肢(手/腕)、または下肢(脚/足)を体の軸から離す動きを指します。
- 肩関節:腕を伸ばしたまま、外側に上げる
- 肩関節(水平外転):腕を伸ばしたまま身体の横で地面と水平に保ち、身体の後方・外側へ動かす
- 手(撓屈):手を差し伸べた状態で、手のひらだけを外側へ傾ける
- 股関節:脚を伸ばしたまま、外側に上げる
- 足関節:つま先を外側に傾ける
内旋・外旋
上腕や大腿などを、骨の長軸を軸にしてコマのように回転させる動きを回旋といいます。正中面に近づける動き(内側に回転させる動き)を内旋、正中面から遠ざけるような動き(外側に回転させる動き)を外旋といいます。
体の前方に向かうある部分を外方へ向ける運動を外旋、内方に向ける運動を内旋

内旋動作の特徴
内側に回転する動きを指します。
- 肩関節:肘を90°に曲げて、腕を地面と水平にした状態で、肘から先を内側に動かす
- 股関節:膝を上げて膝と股関節を90°に固定したまま、膝から下を*外側に傾ける
外旋動作の特徴
外側に回転する動きを指します。
- 肩関節:肘を90°に曲げて、腕を地面と水平にした状態で、肘から先を外側に動かす
- 股関節:膝を上げて膝と股関節を90°に固定したまま、膝から下を*内側に傾ける
回内・回外
回内は前腕を前に差し出して手のひらを伏せるような位置をとる動き、回外は前腕を前に差し出して手のひらを上に向けた位置をとるような動きです。

回内動作の特徴
上肢(手/腕)を内側に回転する動きを指します。
- 腕:腕を身体の内側にひねる
回外動作の特徴
上肢(手/腕)を外側に回転する動きを指します。
- 腕:腕を身体の外側にひねる
回旋
関節角度が変化しない動きを指します。

回旋動作の特徴
- 首を左右に回す
- 上半身を左右にねじる
側屈
左右に曲げる動きを指します。

側屈動作の特徴
- 首を左右に倒す
- 上半身を左右に倒す
まとめ
それぞれの関節運動に関与する筋肉と働きを知っておくと、トレーニングで鍛える筋肉を意識できるようになります。また、関節運動を理解すれば正しい動き方を身に着けることができるのでトレーニング効率が高まるだけでなく、悪い癖がついてしまうことやスポーツ傷害を予防することができます。