水分が運動時にどんな働きをするのか、どのタイミングで摂るのかを解説します。
発汗について
気温が高いときや、スポーツをすると筋肉が収縮することで身体に熱が発生し、汗をかきます。これは体温調節のためです。
体温が上昇すると身体は正常に機能できなくなります。そのため、汗をかくことで身体から熱を逃し、体温を上昇させないように身体を守るのです。
水が1g水蒸気になるとき約0.6kcalの熱を奪います。
体重60kgの人が、100gの汗をかくと体温を1℃下げることになります。
発汗量を把握する
運動時にどのぐらい汗をかいているかは、運動前と運動後に体重を測定することでわかります。
身体から水分が2~3%以上失われるとパフォーマンスが落ちるため、そうならないように、こまめな水分補給が大切です。
例:運動前の体重70kg ➡ 運動後の体重68kg の場合
減少した体重 70kgー68kg=2kg
2kg÷70kg×100=2.8(%)
身体から汗が出て体内の水分が減ることで、さまざまな症状が出ます。
汗の成分
汗の大部分は水分ですが、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、塩素などのミネラルも含まれています。そのミネラルの大半は塩分(ナトリウム、塩素)です。
ただし、汗として出ていくミネラルについては個人差が大きく、また普段から運動をしている人は、しない人に比べて大量に汗をかいても塩分の少ない汗をかきます。
運動に慣れているスポーツ選手は、体温上昇分が少しなのでゆっくりと少しずつ汗を出して体温を調節できます。汗の量が少ないので、出ていく塩分も少ないのです。
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熱中症
大量の汗をかき身体の水分が減ってしまうと、身体は発汗を抑えようとします。
体温が上がっても、身体の中の重要な働きをする水分を失わないように働きだすのです。それによって起こるのが熱中症です。
症状は、めまい、痙攣、頭痛、吐き気などで重度になると意識障害や生命に関わります。熱中症を防ぐには、こまめな水分補給が大切になります。