運動後の正しい栄養補給の仕方について解説します。
栄養補給のポイント
運動が終わると、骨格筋ではグリコーゲンの合成が始まります。このタイミングで適切な栄養、水分補給は運動中に消費したグリコーゲンの回復を促進させ、疲労回復にもつながります。
運動後30分以内に糖質とたんぱく質を一緒に摂ります。時間が遅れると、糖質とたんぱく質が筋肉に取り込まれる効率が悪くなるので、できるだけ早く補給するようにしましょう。
糖質とたんぱく質は、重量比で糖質3に対し、たんぱく質1の割合が理想的です。
例えば、ご飯1杯150g(糖質56g)に対し、お肉を100g(たんぱく質20g)というのが糖質3に対し、たんぱく質1の割合です。
糖質とたんぱく質を同時に摂ることは、糖質のみの摂取に比べ、筋肉グリコーゲンの合成率が2倍近く高まるといわれています。
筋肉グリコーゲンは、体内で一時的に保存されるエネルギー物質です。糖質とたんぱく質を同時に十分摂っておくことは、エネルギーを蓄えるうえで必要なのです。
図の「糖質のみ」は、1時間の運動を行った後に体重1g当たり0.8gの糖質を摂取して合成される筋肉グリコーゲンを”100”としたものです。「糖質+たんぱく質」は両方を同時に摂った場合のグリコーゲン合成率を示しています。
運動直後の栄養補給
糖質とたんぱく質、水分がしっかり摂れるものを選びます。運動直後はあくまでも、補給です。そのあとに、しっかり食事をします。
運動直後の栄養摂取例:
① オレンジジュース + ヨーグルト + チーズ
② 牛乳 + バナナ
③ 市販のゼリーなど
≪合わせて読む↑≫
食品で摂りにくい場合は、*サプリメントを利用しても構いません。
市販のゼリーは、水分の吸収も速く、糖質とたんぱく質を同時に摂取できるものもあるので、活用できます。
しかし、その際栄養成分表示をチェックすることを忘れないようにしましょう。
運動直後に摂取する市販のゼリーとして、筋肉グリコーゲン合成に効率のよいものと、効率の悪いものの例は次の通りです。
効率のよい例
効率のわるい例
*サプリメント
サプリメントはいわゆる「健康食品」の一部として販売されています。特定の栄養成分が凝縮して錠剤やその他の形態になっているものが該当します。
国が制度をつくって表示を許可しているものではなく、基準が定められていないので、スナック菓子や飲料などもサプリメントと呼ばれていることもあります。いわゆる「健康食品」は、サプリメントの他に、機能性食品、栄養補助食品、健康補助食品など、さまざまな名称で流通しています。
成分をきちんとチェックすることが大切です。