【成人期】生活習慣病を予防するための食事について解説!

生活習慣病のリスクを避ける成人期の栄養摂取について解説します。

成人期の区分

成人期とは20歳から64歳までの期間をいいます。そのうち、3つの期に区分できます。

成人期の区分

生活習慣病のリスク

成人期になると、基礎代謝量が低下するので体脂肪を気にする人が多くなります。また、運動機能や筋力の低下を感じ、積極的に身体を動かす人もいますが、仕事や家庭などでなかなか働くことができない人もいます。

成人期に入ると、一般的に栄養の消化・吸収能力も低下します。生活習慣病も含めた病気も発症しやすくなるので、適切な食事をしてバランスよく栄養を摂り、適度な運動をするように心がけましょう。

体脂肪

身体に蓄積する脂肪には、皮下脂肪内臓脂肪があります。

体脂肪の種類

≪合わせて読む↑≫

メタボリックシンドローム

メタボリックシンドローム(メタボ)は、体脂肪が多い人をいうのではなく、肥満による内臓脂肪の蓄積が、糖尿病や脂質異常症、高血圧などの生活習慣病を発症させやすいことから考えられたものです。

腹囲(おへその周り)が男性85㎝以上、女性90㎝以上の人で、高血糖、脂質異常、血圧高値のうち2つ以上が認められる場合にメタボリックシンドロームと診断されます。

メタボリックシンドロームの診断基準

*HDLコレステロール
善玉コレステロールともいわれ、体内の余分なコレステロールを回収して肝臓に運ぶ役割を担っています。

*空腹時血糖
空腹時に測る血液中のブドウ糖の量です。

基礎体力の低下

職業などによって1日の活動量はさまざまです。また、生活スタイルや食事内容も異なり、身体的な特徴には個人差があります。

長時間のデスクワークは、生活活動量を低下させるため、筋肉量の低下やそれに伴う筋力・持久力の低下、そして心肺機能の低下につながります。筋力や心肺機能など、基礎体力の低下は集中力の低下も招きます。

また、エネルギー消費量が低下するので、余ったエネルギーは脂肪として蓄えられるようになります。体脂肪は、不規則な生活や飲酒を含めた偏った食事をしている成人に共通した問題です。それにより、特に内臓脂肪が増加すると、動脈硬化が進行し、高血圧、糖尿病、心臓病、脳血管疾患のリスクが高まります。

食事で気をつけること

➊ 仕事内容によってエネルギー必要量が違います。また、休日の過ごし方でも食べる量に変化をつけることが大切です。

➋ 外食をする場合は、ラーメンや丼ものなど1品ものに偏らないようにします。これらの糖質や脂質の多いものは、手軽で満足感も得やすいですが、エネルギーばかりを摂ってしまい、ビタミンが不足しがちです。また、食べたやすいので食べ過ぎてしまい、体脂肪が増える原因にもなるので注意が必要です。

➌ 外食が多い場合、たんぱく質、ビタミン、ミネラルが不足しがちになります。これらが摂りにくい場合は、コンビニなどもうまく活用し、ゼリーなどで不足する栄養をプラスするものを覚えましょう。

❹ 疲労回復も大切なことです。栄養ドリンクや疲労回復のサプリメントを使う前に、疲労回復につながるたんぱく質ビタミンB₁タウリンなどは、たこ、まぐろ、豚肉、うなぎなどに含まれているので、こうした食材を摂るようにしましょう。

➎ 体内の水分を保つために水分補給をしっかりしましょう。活動量が多く、運動している場合は水分補給を意識している人は多いのですが、活動量が少ないデスクワークの人は意外に水分を摂らない傾向があります。こまめに水分を補給しましょう。

➏ 脂肪の合成を促すたんぱく質が活発になるのは、夜6時以降といわれます。遅く食べるほど太りやすくなります。

アルコール

適度な飲酒(アルコール量)は、純アルコールとして1日20g~25g以内です。
日本酒なら1合、ビールなら中瓶1本にあたります。

純アルコールは次のように計算できます。

純アルコールの計算方法

例:

ビール(アルコール度数5度)を500ml飲む場合

0.05(アルコール度数) × 500(飲酒量) × 0.8
20g

純アルコール20gの目安は次の通りです。

純アルコール20gの目安

『アルコールのカロリー』

アルコールのカロリーとは、エンプティカロリーと呼ばれ、糖質や脂質よりも先に熱として放出されるため、直接的に太る原因にはなりません。

しかし、アルコールのカロリーが優先的に消費されるため、脂質や糖質が消費されにくくなり、体内にたまりやすくなってしまいます。

また、アルコールによって食欲が増進することにより、食事量が増えてしまうと太る原因になります。

『飲酒の習慣』

アルコールは肝臓で代謝されますが、その際、大量のビタミンB₁とミネラルが消費されます。習慣的にお酒を飲むことによって肝臓が疲労したり、機能低下したりすることを防ぐために、飲酒の習慣がある人は、ビタミンB₁ミネラルを意識して摂るようにしましょう。