身体を構成する成分で重要な組織である、筋肉、骨、血液について解説します。
筋肉
筋肉は、筋繊維と呼ばれる細長い繊維状のものが束になってできています。
筋繊維はたんぱく質からなり、ひとつひとつは柔らかいのですが、束になることで強い筋肉になります。
筋肉が伸びたり縮んだりすることで、腕や足を動かすことができ、連動するためには必要な組織です。
体重に対して筋肉の占める割合(筋肉率)は、標準の身体で30%~40%です。
遅筋と速筋の主な特徴
筋肉は大きく分けて遅筋と速筋があります。
遅筋は赤い色をしていて持久的な運動に適しており、速筋は白い色で瞬発力を発揮するときに働きます。
遅筋が赤い色をしているのは、筋肉中に含まれる赤い色をしたたんぱく質ミオグロビンが多いためです。
筋肉中のミオグロビンは、赤血球のヘモグロビンと同じように酸素を運び貯蔵します。
持久力を高める有酸素運動を長く続けると、筋肉中にミオグロビンが増え、白い速筋が赤い遅筋に変わっていきます。
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筋肉の種類
筋肉は、骨格筋、心筋、平滑筋の3種類に分類されます。
- 骨格筋
足や腕など身体を動かす筋肉 - 心筋
心臓を拡張させたり収縮させたりする筋肉 - 平滑筋
血管や消化管などの臓器を動かす筋肉
骨
骨は体重の約12%を占め、約200個あります。
骨と骨がが組み合わさって骨格ができています。骨は身体の形を保ち、内臓を保護するほか、骨の中心にある骨髄で血液がつくられています。
骨はカルシウムでつくられているというイメージが強いですが、たんぱく質もカルシウムに次いで多く、約30%も含まれています。
これを建物の鉄筋コンクリートに例えると、コンクリートにあたる骨の外側はカルシウムでできていますが、強度を増すために入れる鉄筋の部分は、主に*コラーゲンというたんぱく質でつくられています。
骨は、骨基質という土台の上にカルシウムが沈着して作られます。骨基質はコラーゲンによる網目構造になっています。
*コラーゲン
繊維状たんぱく質の一種。
腱、靭帯、骨、真皮などの成分。組織と組織をつないだり支えたりする役割をもっています。コラーゲンは、身体にあるたんぱく質の約30%を占める成分です。
血液
血液は体重の約8%を占めています。
血液は液体成分と細胞成分からつくられています。液体成分は血漿と呼ばれ、水分のほかにたんぱく質が多く含まれ、ビタミンやミネラルなども含まれています。細胞成分は赤血球、白血球、血小板です。
『赤血球』
ヘモグロビンという鉄を含む色素が含まれていて、この鉄が酸素と結合して全身に酸素を運びます。血液中の赤血球や、赤血球中のヘモグロビンが不足すると、最も頻繁に起こるのは貧血です。動悸やめまいなどが一般的な症状です。
『白血球』
身体の中に異物が入ってくると排除し、身体を守ろうとする免疫の働きを担っています。
『血小板』
血管が傷ついたときに出血しないように働きます。