世界一のスポーツといえば間違いなくサッカーです。サッカーの競技人口、知名度、人気は断トツです。また、貧富に関わらず、素晴らしい選手が出てくるところも素晴らしいことです。アフリカ、南米などの国抜きでは世界のサッカーは語れません。サッカーの歴史は長く、多くの国では文化の一部として根付いています。
無数のサッカー選手の中で、勝ち上がったトップ選手たち。選手のマーケティングやプロモーションなどを考慮せずに、「サッカーの実力」としてトップ選手たちを評価したときに、「真の実力のある選手」はどういう選手なのか、他の選手たちと極めて優れているところはどこなのか、いくつか挙げてみました。
「実力のある選手」とは?
サッカー選手になるためには、いろいろな要素が揃わなければなければなれません。単に実力がある順にサッカー選手になるわけではなく、ピッチ上のパフォーマンス以外にマネージング力やプロモーション力、そして運もサッカー以外に大きく関わってきます。
ただ、最後には実力がなければ生き残ることはできません。欲しがってくれるチームがなければ、いくらやる気があってもどうしようもないですよね。
同じスタートラインにいるはずの選手が、いつの間にか手の届かない存在になっていたり、能力は同じなのに、評価される選手と評価されない選手がいるのはなぜでしょうか。
プレッシャーに強い選手
南米では、練習でいいプレーをするのに、試合では活躍できない選手のことを「練習の選手」といいます。紅白戦や練習試合では活躍するのに、試合では委縮してしまう選手は数多くいます。
いくら能力があったとしても、試合で100%発揮できなければ意味がありません。
サッカーでは、試合での結果がすべてで、練習でいくら活躍できても試合で活躍できなければ役に立ちません。
練習で評価されて試合に抜擢されるのですから、能力があるのは間違いはありません。しかし、試合では大きなプレッシャーがかかります。紅白戦では味わえない緊張感、重圧があります。インテンシティも練習とは比べものになりません。そのプレッシャーに押しつぶされてしますのです。
そういう選手には、時間を与えてプレッシャーに慣れさせることも必要ですが、結果を求められる世界では現実的に即戦力の選手を使いたくなります。
「練習の選手」とは試合で能力を出せない選手で、「即戦力の選手」は試合で能力を出せる選手です。
「練習の選手」にならないように、試合では背伸びをせず、気持ちを強く持って、まずは自分の能力を最大限発揮することにフォーカスしましょう。
背伸びをすると空回りの原因になりますし、どんなにベテランの選手でも緊張したり、プレッシャーを感じてることを理解し、それに打ち勝つための強い精神力で試合に臨みましょう。
試合で能力を100%発揮できる選手
まずは、試合に抜擢されるということは、自分の能力は認められているということを頭にいれなければいけません。
1チームに約25名~30名が在籍していると思います。1ポジションあたり2~3選手がレギュラーになるために競っているわけですから、自分が選ばれている理由をきちんと理解する必要があります。
ただ、能力と実力は違います。テクニック、フィジカル、タクティクス(戦術)、メンタルなどのスキルを合わせて能力と称しますが、能力は持っているだけでは価値はありません。試合で発揮できてはじめて、価値があるのです。試合で発揮できた能力が実力ととなります。
例えば、フィジカルトレーニングに打ち込んで、自主的にもフィジカル強化に取り組んで、自己管理も完璧にして試合に臨んでも、試合で60%しか発揮できず、余力を残して終わったら意味ないですよね。せっかくフィジカル能力が「100」あっても、「60」しか出せなければ、「60」しか持っていないのと同じです。
また、ドリブルが得意な選手が、ドリブルをしなかったら、自分の能力を無駄にしてます。「ドリブルをするシチュエーションがなかった」とか、「前を向いてボールを受けられなかった」など、いくらでも言い訳はありますが、それは自らドリブルができるシチュエーションをつくり出せなかった自分の実力不足だといえます。ドリブル能力はあるのに試合で発揮できる実力がないのです。
同じく、シュート能力が高くて、自分のストロングポイントがミドルシュートとわかっていても、試合でシュートを打たなければ、実力はゼロに等しいです。
試合に臨むにあたって、各スキルの自分の能力を分析し、自分はどんな特徴のある選手なのか、どのスキルにどのぐらいの能力があるのか、試合で何ができるのかを理解してそれらを100%発揮することに集中しましょう。
選手の基礎となる次のスキルについて自己分析してください。
・テクニック
ドリブル、パス、トラップ、シュート、ヘディング
・フィジカル
スピード、パワー、持久力、バランス、柔軟性
・タクティクス
攻撃、守備
・メンタル
どんなスタイルなのか(クール、情熱的、ファイター、リーダー、働き者など)
自己分析した結果が、主観的にみた自分の能力です。それらを100%試合で発揮できたら、それが自分の実力です。
実力をピッチで表現できる選手
自分の能力が分析できて試合に臨めると、自分の実力も理解できるようになります。しかし、それはあくまで自己評価であって、評価をするのは周りです。
自分からみた実力と周りからみた実力は異なります。チームプレーである以上、自己評価だけでは成り立ちません。結局、試合に出続けるためには監督の評価が一番重要になりまし、チームメイトからの信頼が自分のパフォーマンス向上につながるのです。
自分の実力を評価してもらうためにはどうすればいいのでしょうか。それは、表現することです。表現力のない選手は損します。逆に言えば、表現力も実力のひとつで、とても大切な要素です。
例えば、サッカーにおいて、モチベーションというのは欠かせません。やる気があるのに、表現力がないせいでやる気がないように見えてしまうのは損ですよね。監督からも、サポーターからも「あの選手気持ちが入ってないな」と思われると、一気に評価は落ちます。能力・実力以前の問題で、やる気というのは試合に出るうえで最低限見せなければいけないのです。
試合に向けてきついトレーニングをして、準備もきっちりして、やる気も満々なのに、表現が下手でやる気がないと捉えられたら意味がないです。
また、ドリブルが得意な選手が、試合後の自己評価で、「ドリブルでたくさんチャレンジできた」と思っても、周りからは「消極的だった」と評価されたとしたら、自分と周りの印象に相違があります。それは自分の実力を表現できてないからです。
自分が思っている2倍か3倍表現しなければ、周りには伝わりません。
気持ちやストロングポイントは、自分が思っているほど周りには伝わりません。勝つためにプレーをすることは大前提ですが、選ばれてピッチに立っている以上、いち選手として何を表現できるのかを考え実行しなければいけません。実力があっても自己満足で終わっていたら役に立ちません。自分の実力に表現力を加えてはじめて、真の実力となります。
まとめ
真の実力とは、自分の能力、そして自分が求められていることを理解し、試合で能力を最大限に発揮し、それを周りに表現できることをいいます。
能力とは、選手のステータスを表したグラフやデータのようなものです。
実力とは、試合での活躍度や貢献度など実質的な力を指します。
表現力とは、メディアや監督、チームメイトなど他者の評価のことをいいます。
それらの要素すべての値が高い選手が真の実力のある選手といえます。
ただ、忘れてはいけないのが、自分に限界をつくらないことです。
どんな選手でもサッカーを続けている限り、無限の可能性を秘めています。自分の能力を自己分析することは大切ですが、もっと大切なことは常に向上心をもって理想の自分を追い続けることです。
サッカーは飛行機に例えることができます。それは、進むしかないということです。「とまる」イコール「墜落」を意味します。競争の激しいサッカーの世界には「とまる」という選択肢はありません。つまり、成長し続けない限り、落ちていくだけなのです。
自分に限界をつくったり、天狗になったりせずに、真摯にサッカーと向き合って努力をしてください。
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