スランプを理解するための「成長曲線」と、すぐに自信を取り戻すことができる「アンカリング」について解説します。
「成長曲線」を理解する
人は、伸びる時期と停滞する時期を繰り返しながら成長しています。それをグラフにしたものが成長曲線です。
何かを始めて高みを目指すときにも同じように、伸びる時期と停滞する時期を繰り返していきます。停滞する時期をスランプと意味づける人もいます。
成長曲線の2回目の停滞期ぐらいで挫折してしまう人は多いけれど、3回目の停滞期を乗り越えた後にプロと呼ばれる領域にたどり着く人が多いといわれています。
自分がスランプに陥ったとき、「いま何回目のスランプなのか」「このスランプを乗り越えたらどんな世界が待っているのか」を自問しながら、この成長曲線を思い出して乗り越えていくと良いです。
スランプをどんなチャンスにできるのでしょうか?もう一度自分が「どうなりたいのか」を確認できるチャンスにもできますし、「どうなりたいのか」という目標に向けて、自分を見つめなおし、できることを見つけていくチャンスにすることもできます。
バーンアウトとは?
仕事や練習などに没頭してきた人が、燃え尽きたように意欲を失う現象で、燃え尽き症候群とも呼ばれています。
責任感が強く、完璧主義で、そのことだけに一筋に取り組む熱心な人が陥りやすいと言われています。スポーツ選手では、特にまじめな人が常に自分の競技について考えて努力し続けるため、自律神経が乱れてリラックスすることができずに引き起こすケースが多いのです。
頑張り過ぎているということもあるので、溜まった疲労をとり、心身ともに健康状態を取り戻すことが必要です。そのためには、計画的に積極的な休息を取り入れることが有効です。
「自分はまだまだ足りていない」という恐れが「休んではいけない」という休むことへの罪悪感を生んでいるので、自分を認めることが必要となります。
自信スイッチをつくる
スランプの状態から、自分の心の状態を自信に満ち溢れた状態にいつでも切り替えることができる「アンカリング」という手法があります。
ここぞという場面で、堂々としていられるような自信スイッチをつくります。過去の経験を繰り返し思い出しながらそのときの感覚を強化することで、いつでもその状態になれるようなきっかけをつくっていくものです。
自信を持てた複数の経験を思い出し、そのイメージを持つ経験を積み重ねながら、自分の中に「自信」という感覚を強化していきます。繰り返し過去の経験をイメージし、内面に起こる変化を観察してみてください。
一度この「自信スイッチ」をつくっておけば、自信を持ちたいと思う場面で、いつでもこの感覚を再現することができます。
アンカリングの実施方法
➊ 自信を持てた過去の経験を3つ思い出していきます。自信を持てた経験なら、スポーツに限りません。何かがうまくできた時や、人から認めてもらって誇らしかった経験でも構いません。
➋ いつでも再現できるように、スイッチとなるポーズを決めます。試合会場などでも再現しやすいように、さりげないものがいいかもしれません。
➌ 自信を持てた1つ目の経験を思い出します。あたかも今、その体験をしているかのようにイメージし、自信を持っている感覚になってきたら、②で決めたポーズをとります。自信を持っている感覚とポーズをつなげているためです。
➍ 2つ目の自信を持てた経験を思い出します。今、その体験をしているかのようにイメージし、自信を持った感覚になってきたら、②で決めたポーズをとります。3つ目の体験も同じようにします。この行為を重ねることによって強化していきます。
➎ 何も考えずに、②で決めたポーズをとってみましょう。どのような感覚になるのか、自分の内面を観察してみてください。自信を持っている感覚になれば、スイッチは完成です。もしも変化が弱いようなら、③から④を繰り返して強化します。
➏ 自信スイッチを使って近い将来どのような場面で変化を起こしたいかを思い浮かべ、その場面で自信スイッチを使いながら自信を持って行動している自分をイメージして確認します。
まとめ
回路の切り替えを強化すれば「自信」「安心」「やる気」など、どんな状態にも心を切り替えることが可能になります。スランプの時には「自分はできる」という感覚を思い出していきましょう。
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