相手のペースに寄り添えるようになる方法や、メッセージを上手に伝える方法について解説します。
相手とペースを合わせる
誰かと信頼関係を築きたいとき、あなたなら何をしますか?
人は自分と類似しているものはあるときに、相手を味方とみなす「類似性の法則」があります。意図的に相手のペースに合わせることで、相手に対して無意識に働きかけ、信頼関係を構築することができるのです。
信頼関係を築くときのスキルとして、相手のペースの合わせる「ペーシング」があります。
ペーシングで相手と合わせるものは、
- 呼吸
- 姿勢
- 話す速度
- 言葉
- 価値
すべてを同時に合わせていくのは難しいですので、まずは呼吸から合わせていくことがおススメです。「息が合う」という言葉通り、呼吸が合うと調子が合ってきて、気が合っていると感じられるのです。
話のスピードが極端に合わない人と話をするとき、自分の反応がどうなるのかを想像してみてください。話すスピードが極端に遅い場合や極端に速い場合、話がかみ合っていない感覚になります。逆に、話すスピードが同じぐらいの人と会話すると、わかり合える感覚になります。
また、良いコミュニケーションがとれている人たちは、似た姿勢をとっていることが多いものです。あからさまに真似されると嫌な気持ちになりますが、相手に気付かれない程度に似たような姿勢をとることでも、心の距離を縮めることができます。
呼吸のペーシング
➊ 誰か対象を決めて、その人の呼吸を観察してみます。かすかな肩の上下や、胸やお腹のふくらみを見ると、呼吸の深さやテンポを知ることができます。
➋ 呼吸が観察できたら、その人と同じタイミングで息を吸ったり吐いたりします。1分から3分ぐらい呼吸を合わせてみましょう。
➌ 呼吸を合わせた後、自分自身の内面の感覚に意識を向けてみましょう。呼吸が合うと安心感が生まれ、お互いの心が穏やかな状態になっていきます。
チームで影響力のある人と呼吸のペースを合わせると、チームメンバーとの信頼関係も深まります。
言葉のペーシング
➊ 誰か対象を決めて、どのような言葉を使っているのか観察してみます。
➋ 会話をするときに、相手が言っている言葉の一部分を切り取って、その言葉と同じ言葉を使いながら話をしてみます。どの単語を切り取るかはセンスですが、相手にとってキーワードとなっている言葉を見つけてみましょう。
➌ この手法を使い、話がどのように展開していくか観察します。相手が話しやすそうにしてたら、うまくいっています。
相手が悩んでいるときは、こちらから言葉のペーシングを活用しながら話を聞くと、相手は自身が考えていることを整理することができ、自ら解決策を見つけていくことができます。
「私メッセージ」を使って上手に伝える
会話の中で何かを言いたくなったときは、タイミングを見計らって「私(自分)」を主語にして伝えると、相手の心に抵抗なく伝わります。
・私メッセージ
「自分だったらこうするな」
・あなたメッセージ
「あなたは○○だからダメなんだよ」
たたみかけるようにたくさん言うと効果が薄れてしますので注意しましょう。
「私メッセージ」に対して、「あなたメッセージ」は決めつけられたような抵抗感を感じてしまい、正論を言ったとしても相手の心には届きません。
まとめ
自分から相手のペースに寄り添うことで、信頼関係は深まっていきます。まずは、呼吸や言葉など取り組みやすい部分からペーシングを行い、相手とわかり合えている感覚を身につけましょう。
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